雑記20220124

鼻をかんで、ティッシュを開くと明確にゴミ的なものが散見されるので、今いる場所の汚さとそこで必死に呼吸していたことが分かる 各々の日々と道筋で得た世界の粉が同僚や上司のため息と貧乏ゆすりとスワイプで空間を舞う 空間のドリッピングを丸めてゴミ箱に捨てると、ぼんやりと剥がれ落ちた体に入っていかなかった排斥した防がれた汚れのことを本当に捨ててよかったのかと思う

嘘日記201707172224

今日は学校でプールがあったけれど、朝、ヌタウナギを大量に放っておいたので、案の定中止になった。ぼくはお家でゆっくり相棒の再放送を見て、ミス・グリーンに恋をする。クーラーの稼動音と扇風機が回る音、遠くで下校中の一、二年生くらいの子たちがわいわい言いながら下校する声、カーテンを閉めきって薄暗い部屋の中で真夏はとても静かだ。ガリガリ君が溶けて垂れた水滴を、スマホの液晶が受け止めて、ヒカキンの顔が歪む。自動生成された字幕が、昨日夢に出てきた女の人が言っていた言葉に似ていた。夏休みは今のところ無限だ。食べ終わったガリガリ君の木の棒に、「はかい」と文字を刻んで、燃えるゴミに放り投げた。木の棒はゴミ箱に入らずに落ちた。床中に設置されたセンサーが、衝撃を感知して椅子に縛られたヒカキンに電撃が流れる。ヒカキンの顔が歪む。

 

夏休みは、今のところ、無限だ。

嘘日記201707170339

味噌汁を飲もうと左手を動かしたら、お椀の横にあったグラスに左手が当たって、中に入っていた水がこぼれた。わたしは味噌汁をゆっくりと堪能し、倒れたままのグラスと、少し蒸発して小さくなった水たまりを眺めた。わたしは、水たまりがテーブルにシミをつくるのを眺めながら、桃太郎の持たされたきびだんごが、そんなにおいしくなかった場合における犬、猿、雉のリアクションの差異について考えていた。犬は気を使って、本当の感想は言わないだろうし、哀れんでついてきてくれるかもしれない。猿は本当の感想は言わないかもしれないが、自分が行きたくない場合には、その権利をきちんと主張しそうである。雉に関しては全く想像がつかない。お前は誰だ。

 

そうこうしているうちに、水たまりは完全なシミになる。わたしはiPhone7でそのシミを撮影し、MacAirdropで送る。シミをフォトショで修正し、修正した画像を印刷する。印刷した紙をシミのある場所にセロテープで貼り付ける。もうシミは見えない。顔を上げて見渡すと、わたしの部屋には随分セロテープが増えたなと思う。7:35分を指したまま動かない時計、ずっと晴れの窓、ずっと笑顔の羽鳥アナウンサーが写っているテレビ、色褪せた回鍋肉が乗ったお皿、動かない熱帯魚、枯れない花、優しく微笑む彼。ベッドに倒れこむと紙がくしゃくしゃと音を立てる。また明日の朝、この写真を撮ってフォトショで修正しようと思った。アドビ様、アドビ様、わたしの絶対神。今日も愛しています。

嘘日記201707190237

素敵な色の人に出会った。私は涙を待っている。レトルトのカップ麺が出来るまでの間だけ私には絶対がある。これは数学の授業の最初に、壁際の三段六次郎豆七彦が必ず言う言葉である。はじめこそみな戸惑ったが、今では、起立、礼、着席の代わりに使われている。ちなみに三段六次郎豆七彦は、教室の後ろの壁に机の左側をくっつけて、ずっと教室の左側の窓のほうを見ている。だから、三段六次郎豆七彦の成績はよくない。かといって格段に悪いというわけでもない。真ん中より少し下、そんな三段六次郎豆七彦が僕の下駄箱に何か入れていたのを見たので慌てて近づくと、三段六次郎豆七彦は低くうなりながらゆっくりと後ずさりしていった。ぼくは三段六次郎豆七彦の気迫に押され、しばらく動けなかったがハッと我に返り、下駄箱を開けると、綺麗なツナクレープがぼくの両方の外履きに一つずつ入れられていた。三段六次郎豆七彦は顔を赤らめ、柱の陰からこちらを見ていた。ぼくは彼女の下駄箱を開け、両方の外履きに一つずつ綺麗なイチゴのクレープを入れた。ぼくたちは静かに歩み寄り、そっとキスをした。

 

 

朝、4時のことだった。