嘘日記201707190237

素敵な色の人に出会った。私は涙を待っている。レトルトのカップ麺が出来るまでの間だけ私には絶対がある。これは数学の授業の最初に、壁際の三段六次郎豆七彦が必ず言う言葉である。はじめこそみな戸惑ったが、今では、起立、礼、着席の代わりに使われている。ちなみに三段六次郎豆七彦は、教室の後ろの壁に机の左側をくっつけて、ずっと教室の左側の窓のほうを見ている。だから、三段六次郎豆七彦の成績はよくない。かといって格段に悪いというわけでもない。真ん中より少し下、そんな三段六次郎豆七彦が僕の下駄箱に何か入れていたのを見たので慌てて近づくと、三段六次郎豆七彦は低くうなりながらゆっくりと後ずさりしていった。ぼくは三段六次郎豆七彦の気迫に押され、しばらく動けなかったがハッと我に返り、下駄箱を開けると、綺麗なツナクレープがぼくの両方の外履きに一つずつ入れられていた。三段六次郎豆七彦は顔を赤らめ、柱の陰からこちらを見ていた。ぼくは彼女の下駄箱を開け、両方の外履きに一つずつ綺麗なイチゴのクレープを入れた。ぼくたちは静かに歩み寄り、そっとキスをした。

 

 

朝、4時のことだった。